昨夜、旦那が帰宅した隙をついてドアを抜け出したむー。外の世界に対する飽くなき執念が彼を動かしたのだろうか。
夕飯を買いがてら帰宅途中に旦那とスーパーに寄ると「なんか今日、むーの姿を見かけないんだよね」などと、のたまいやがる。
「え?どういうこと?外に行ったの?」
「まさかぁ〜」
へらへら笑う旦那。
帰宅しても、家にはいない
家に帰ってあらゆる戸棚を開け呼びかけるが姿を見せず。親バカと思われるかもしれないが、むーは呼んだらすぐ出てくる非常に頭の良いネコなので、こんだけ呼んで出てこないということは、家に居ないか、出られないか、考えたくないが死んでしまったかの何れかになる。
もうこの時点で少しキレ気味に「帰ってから見たの?見てないの?」と旦那に詰め寄る。
「出て行ってはないはず…」
と未だ家にいる説を唱える旦那。話にならんと思い家の周りを探すことにした。
家の周りを呼びかけまくって探した。通り過ぎる人に怪訝な顔をされていたと思う。
が出てこず。
仕方なく、くろかわにハーネスを付け歩き回る作戦を実行した。
くろかわで、むーをおびき出す作戦
くろかわにハーネスをつけ、むーがいそうな所に解き放った。普段、外に出ると鳴かない子なのだが、飼い主の探したい気持ちは伝わったらしく、にゃーにゃー鳴いていた。主に車の下を見てにゃーにゃー言ってたので、車の下にいるのかなーと思って探したが、居なかった。途中、マンション住人とすれ違い「え?ねこ散歩させてる?!」といった感じで二度見された。
そんなこんなで、くろかわで呼び寄せる作戦は一旦終了にした。
素敵な住人さん
相変わらず、むーに出会えず途方にくれていたら同じマンションの住人が出てきた。
「ねこちゃん、見つかりましたか?」
どうやら旦那が一階の住人にだけ、ベランダに来てないか声をかけたらしい。まだ見つかってないんです、と答えると
「うちも猫飼ってるから心配な気持ちよく分かります。いつ逃げたんですか?どんな柄の子ですか?」
と色々聞かれたので、一通り答えた。旦那がうっかり逃したこと、片目しかないこと、シロ茶のミックスであること。
「わかりました!見つけたらすぐ連絡しますね!」
そうして、暫く草むらを散策してくれた住人さん。こんな素敵な住人さんがいるなんて知らなかったので感動した。
見つからない猫
その後も散策を続けたものの、一向に見つからず。仕方ないので家に戻り、むーの好きなカニカマをベランダに置いておく作戦を実行することに。
むーは身体はデカイのだが、片目しかなく、自己主張もしない。
そもそも、むーを拾ってきたとき死にかけていたのは、他の子猫に譲って母猫のミルクを飲めなかったからなのではないかと思ってる。
その証拠に今でもむーは、エサを食べるときもくろかわ、育に譲り一番最後。
そんなむーだから、外の世界にいればすぐ弱ってしまうだろうと、考えていたら涙が止まらなくなった。
途中、旦那が一度帰宅しただが泣いてる私を見て責任を感じたのか再び探しに出て行った。
むー帰還。くろかわの手柄
泣いてる私を見て、くろかわと育は慰めてくれる…わけもなく網戸越しにある、むーを釣るためのカニカマをどうにかして取れないかとガリガリしてた。
猫ってアホだな、むーもアホだから出てったんだろうな。人間がいつでもどんな時も気づいて迎えに来てくれると信じて。
まぁ、気づかない人間はもっとアホだけど。
などと考えていると、ドタバタと旦那が家に帰ってしました。
その手には、むー。
「むー!!」
旦那はむーをぽいっと床に置き、息を切らして言いました。
「うちの車の下にいたよ。。むーを逃しちゃって本当にごめん。」
むーは何事もなかったかのようにケロっとしており、ベランダに設置された、脱走むー釣り用のカニカマを、とってくれー、これ食べさせてくれーと育と一緒に主張してました。
どうやら、むーはうちの近くまで帰ってきていたようでした。
恐らく、くろかわは見つけていたから執拗に車の下に入ってったのだと思います。
私が覗いても見つからなかったのはタイヤの陰に隠れていたからなのでしょう。
何にせよ、くろかわお手柄です。

そして、ちゃんと諦めずに探してくれた旦那も。
これからは出かけるときはリビング(えさ、猫トイレ、キャットタワー完備)に封印して出かけると約束してくれました。
なお、その後旦那はマンション住人に見つかった旨とお騒がせした謝罪を兼ねて一階の部屋を回っていたようですが、私が事情を話した住人に「ちゃんと気をつけましょうね〜」と笑って注意された模様。
二回も脱走させてるので、いい薬だなと心の中で思いましたとさ。
皆様も脱走には気をつけてください!